内野式洗浄の歩み。シリーズNO.162
ある日、新潟県の織物共同組合の会長の息子さんである蕪木さんが訪ねてこられました。
「実はフロンが全廃になり、染め物の染色防止に使っているものを除去する時、フロンがなくなりその代わりにリモネンを使い始めたが、リモネンの臭気が繊維に付着して臭いがとれない」
とのこと。この方式が使えないと350年近く続いた染め物出来なくなるという深刻なお話でした。
私はその話を聞いてあらゆる薬品を使ってその技術開発に取り組みました。夏休みも一人で会社に来て研究をしました。しかしどんな薬品を使っても臭いを消すことは困難でした。そこで発想を変えて、その染め物を活性炭の中に漬物を漬けるようにしておきました。すると染め物から完全に臭いが消えていたのでした。
この方法を蕪木さんへ連絡したら大変喜んでくれて、深々と何度も御礼を言われて帰られました。私は世の中のために少しは役に立ったかなと満足感を持ちましたが商売には全くなりませんでした。私は昔から困っている人を無性に助けたくなるのです!