内野式洗浄の歩み。シリーズNO.164
プリント基板のフラックスを除去する「EC-7(セブン)」
この日本国内での実用機を田中金属の子会社「日本アルファメタルズ」と共同開発した時のこと。
この「EC-7」はアメリカのペトロファームが開発したオレンジの皮から抽出してそれに「界面活性剤」をブレンドした薬品で、フロン代替として一時期大変注目を浴びていました。私と日本アルファメタルズの工場長だった小林様とで当時色々相談して進めて折、小林工場長様の方には全国から多くの引き合いが来ていました。小林工場長様はこの業界の素人だったので簡単に商売になると思われて自信満々で全国の引き合い先へ「EC-7」を小瓶に入れて配布すると言われていました。
私はそんなことをしても臭いを嗅ぐだけで洗浄機の受注には結びつかないとアドバイスしましたが「EC-7」の反響があまりにも大きいので馬耳東風で配布されていました。その結果オレンジの臭いがきついのと洗浄効果は高いのに臭いのことだけが先行してしまい残念な結果に終わりました。
結局、「EC-7」はフラックス除去は最高だったのにこのプランは日本国内ではブームにならなかったのでした。この様にフロン代替の技術は多くの方法が生まれては消えていくことになりました。多くの夢を持った人々は今では潮が引くように彼方へ消えていったのです。
続く)